Built on Boards – スノーボードがルーツ - : “オールマウンテン”スノーボードとは?
スノーボードが誕生して間もない頃、パークボードやパウダーボードといった何かに特化したボードはありませんでした。まったくというわけではないにせよ、基本的には、1本のボードでどこでも滑ることが当たり前だったのです。
もちろん、現代においても“1本のボードで”的精神が絶滅したわけではありません。ただ、特定の地形やコンディションに向けた様々なシェイプが生み出され、“クイーバー”というアイデアのもと、異なるシェイプのボードを乗り分けることが普及してきたのも事実です。まさに、BurtonのFamily Treeコレクションがその代表格と言えます。しかし、なかには疑問に思う人もいるでしょう、「1本のボードじゃダメなの?」と。
もちろん、ダメな理由などありません。ただし、地形(パーク、グルーマー、バックカントリー)やコンディションを問わず、安定したパフォーマンスを発揮できる万能なボードが必要になります。そういったボードを、Burtonでは“オールマウンテン”ボードと呼んでいます。例えば、Feelgood やCustom。長年ラインナップに君臨しているBurtonオールマウンテンボードの代名詞的存在であり、クラシックと呼ぶにふさわしいボードです。ちまたでは、“良いボード”の基準になっているほどです。
Burtonにとって、スノーボードはブランドのルーツです。より良いスノーボードを作ることに対し、私たちは一切の努力を惜しみません。なぜなら、みんなに雪山で楽しい時間を過ごしてもらいたいからです。だからこそ、ボード選びでのミスは禁物。では、Burtonが誇るオールマウンテンボードを紹介していきましょう。
The Feelgood
Feelgoodは、 Burtonウーメンズボードのなかで最も長くリリースされているボードです。その誕生から、もうすぐ20年が経とうとしています。誰よりもメダル&トロフィーを所有するスノーボーダー、ケリー・クラークが愛用しており、ウーメンズラインでは最もハイパフォーマンスなオールマウンテンボードです。キレのあるハイスピードな滑りを得意とし、ハーフパイプでホッドロッドのように加速したり、大きなジャンプでビタっと着地したり、ノートラックでスプレーを上げたり、何だってできるのです。
「最もアグレッシブなウーメンズボードです」とは、前述のサマンサ。彼女曰く、ルーズではないので、ターンの練習には不向きとのこと。ただし、「ハイスピードでカービングするのなら、エッジをロックし、思い通りの滑りができるでしょう。このボードはやや硬めで、機動力や反発力に優れ、あらゆるコンディションで攻められます」と、Feelgoodについて開発者目線のコメントをくれました。
The Custom
Feelgoodが最も長くリリースされているウーメンズボードなら、 Customは最も長くリリースされているBurtonボードです。その誕生は、1996年にまでさかのぼります。以降、いつの時代も変わらず支持されているのは、とにかくパーフェクトなボードだからでしょう。パークを滑りたい? 問題なし! パウダーでターンをしたい? もちろん! これまで数え切れないほどのBurtonライダーに愛されてきたのも、まさにそんな理由からなのです。ただ、Customはプロライダーだけのボードではありません。スノーボードを始めたばかりの人にもオススメできるボードなのです。
Customを「誰でも乗れるボード」「本当に親しみやすいボード」と言うのは、シニアデザインエンジニアのスコット・シーワード。ベン・ファーガソンやミッケル・バングといったプロライダーはもちろん、多くの一般ユーザーにも愛されているのを見ると、彼の言葉も納得できますね。
The Custom X
理由は何であれ、Customでは物足りないと言うのなら、ぜひCustom Xを試してみてください。Customより硬く、よりプレミアムなマテリアルを使った、正確無比なライディングが持ち味のハイパフォーマンスボードです。ソファに座ってTVを見ているよりも、時速90kmの速さで25mのキッカーを飛ぶ方が落ち着くという、レッド・ジェラードのようなライダーに向けて作られています。
The Yeasayer
あらゆる側面から見て、絶妙な“ちょうど良さ”を持つボード、それがYeasayerです。硬過ぎず、柔らか過ぎず、そしてツインシェイプ&フレックス。まさに万能とはこのボードのためにある言葉ではないでしょうか。地形やコンディションに関わらずパフォーマンスを発揮でき、若干ソフトなオールマウンテンボードです。
「素晴らしいボードで、何でもやりたいオールラウンドなライダーにオススメです」とは、シニアプロダクトマネージャーのレズリー・ベッツ。攻撃的なライダーのためにFeelgoodがあるように、同じく優れた多様性を持ちながらも、ややレイドバックした乗り心地のボードも必要なのです。Yeasayerはフラットトップ採用なので、全体的に遊びやすいライドフィールですが、必要なときには足下のキャンバーがグリップ力を発揮します。さらに、パウダーでの浮力もあり、Feelgoodとは異なるタイプのオールマウンテンボードになっています。
The Flight Attendant
長めのノーズと10mmのテイパー(テールよりノーズが10mmワイド)を備えたFlight Attendantは、今回紹介しているボードのなかで最もフリーライディング寄りになっています。よりディレクショナルということであり、それほどパークやパイプでのスイッチライディングを想定していないということです。もちろんパークやパイプでも十二分にパフォーマンスを発揮しますが、大きなノーズは先陣を切って高速ターンをしたいのです。タフでスムーズ、そしてハイスピード。Flight Attendantは、パウダーメインのオールマウンテンボードと言ったところでしょう。
なぜ、このボードが万能なのか? その鍵はバランスフリーライド形状にあります。ハードパックを滑っているときはツインのような乗り心地ですが、パウダーではノーズが持ち上げられることでディレクショナルかつ浮遊感あふれる乗り心地になるのです。
オールマウンテンボードについての疑問があれば、Burtonライダーサービス(03-5738-2555)までお電話ください。彼らはスノーボードについて話すのが大好きなのです。
もしサステナビリティについて疑問を持ったのであれば、まずはこれを覚えておいてください。今回紹介したボードは全て、FSC™認証コアを使用しています。FSC™の認証を受けた樹木は違法伐採されたものではなく、また、保護価値の高い森林や植林用の森林、遺伝子組み換え樹木が植えられている森林などで伐採されたものではないのです。