キミー・ファサニ: 子育てとスノーボードの両立
母親になると、自分を取巻く環境は劇的に変化します。
当然ながら子供の健康や幸せについても考えなくてはならず、”何か”と両立することはとても大変です。でも、ごくわずかのスーパーウーマンは、いとも簡単にそれをやってのけます。Burtonライダー兼新米ママのキミー・ファサニがまさにそうなのです。プロスノーボーダーとしてのキャリアを通して、常にアクティブなスタンスを維持してきたキミー。いつでも活発な彼女ですが、先日、新たな命を授かりました。息子コアくんの子育てに奮闘するなか、家族のことやスノーボードのことなど、いろいろな話を聞いてみました。
コアくんとの新しい生活について聞かせてくれる?
母親になって、今まで以上に1日1日の大切さを実感しているわ。コアがちゃんと寝てくれたら、次の日はアドベンチャーが待っているの。ハイキングやウォーキング、スプリットボーディングとかね。ロッククライミングのポイントへだって一緒に行くわ。でも、コアの寝つきが悪かったり、夜中に何度も起きてミルクをあげたりした次の日は、あまり興奮させないように家でのんびりするの。たくさんお昼寝したり、近所を散歩したり、メローな1日を過ごすわ。まだ生後8週間だけど、たくさん笑うし、ちょっと個性を発揮し始めているのよ。
スノーボードはもちろん、ハイキングやロッククライミング、トライアスロンなど、かなりアクティブなキミーだけど、母親になって変わったことは?
いつも通りとはいかないまでも、妊娠中も滑っていたの。出産後の今、まずは帝王切開からの回復ね。おかげでコアとの時間にあふれているけど。
でも、だいぶ良くなってきたから、今は夫のクリスと交代でコアの世話をすることで、お互い大好きなことをする時間ができてきたわ。それに、コアと一緒にアクティビティをするのが楽しいのよ。毎秒新しいことを学んでいる感じ。だから、毎日何かしらのアクティビティを一緒にすることを心掛けているわ。近いうちに家族で南カリフォルニア・カールスバッドへ行って、私のトレーナーと共にBプロジェクトに向けたトレーニングを開始するの。6月にはトライアスロンにもエントリーする予定。ちょっとしたウォーキングからハイキング、アドベンチャーをこなして、少しずつ強くなっていかないと。
子育てとプロスノーボーダーとしてキャリア、2つを両立することで最も難しいことは?
スポンサーがとても協力的だから、子供との時間を最優先することに集中できるの。「早くスノーボードをしなくちゃ」というプレッシャーはまったくないわ。困難はあるかもしれないけど、新しい命を授かることってとても素晴らしい経験だし、自然の流れに身をまかせるつもり。コアはまだ小さいし、私も自分のことをある程度できているから、ラッキーなのかもしれないわね。とにかく、新しい冒険に感謝しているの。完全に体力が戻ったらスノーボードも復活するわ。8月には家族でニュージーランドよ。
コアと一緒にアクティビティをするのが楽しいのよ。毎秒新しいことを学んでいる感じ。
近い将来に向けてのゴールは?
まずは体力を取戻すこと。6月はコスタリカにサーフトリップへ行って、さっきも言ったように8月はニュージーランドでスノーボード。
もう少し長いスパンでのゴールは、私たちが大好きな場所全てをコアに見せてあげることね。1月には日本へ行くわ。クリスと一緒に動いている2年越しのプロジェクトもあるの。私もクリスも、これまで個々でいろんなプロジェクトに携わってきたけど、そろそろ2人で一緒にムービーを作るときかなって。もちろんコアも一緒よ。
世界中の新米ママや妊婦さんにメッセージはある?
それぞれ状況が異なるから、フォローすべき1つのルールは存在しないと思う。私は妊娠中の体の変化に順応できたから、9ヶ月までは軽めのアクティビティをすることができた。コアが生まれてから、それまでアクティブでい続けたことに感謝したわ。だって、体力の回復が早いから。生まれてからもある程度活動的でいることは、フィジカル面でもメンタル面でもプラスに作用すると思うの。女性の体は回復力が高くて、子供を生むために、そしてアクティブでいるためにできているのよ。
あとは、子供が生まれる前後で比べない方が良いかもしれないわね。山に対する愛や情熱は変わらないし、ちょっと違って見えるだけよ。これからも日本のパウダーやマンモスのバックカントリーを滑るし、アラスカへだって行くわ。個人的に成し遂げてきたことを、今後はコアも一緒にやっていくってだけ。急ぐ必要なんてないの。
どんなことをコアに教えてあげたい?
何より山で育てたいわ。そして、周りの環境に感謝することを学んでほしいの。人生を通してアウトドアを愛する子になってもらいたいわね。
コアが最初に発する言葉は何だと思う?
多分「パパ」ね。彼はクリスのことが大好きだから!
Photos by Chris Benchetler.
All photo captions by Kimmy.