気候変動と新型コロナウイルスについて: ドナ・カーペンターの言葉

みなさん、こんにちは。

去る4月22日はアースデーでした。自然とのつながりを祝う日ですが、同時に、環境破壊に対する母なる大地の警告に耳を傾けるときでもあります。

危機に直面している状況で、なかなか未来について考える余裕はないと思います。まずは家族を守り、会社を存続させることに注力しなければなりません。しかし、人類にとっての脅威は新型コロナウイルスに限ったことではありません。それを認識しておくことが重要です。気候変動は人間によって引き起こされたものであり、地球にとっては存在自体を脅かす脅威なのです。長きにわたり、多くの気候科学者の見解として広く知られている事実ですね。

ウイルスがもたらす現状と気候変動による脅威には共通点があり、私は驚きを隠せません。

1. どちらの脅威も目に見えません。新型コロナウイルスを目視できないのと同様に、二酸化炭素を見ることはできません。見えないものに対して、人々の結束を促すことは非常に難しいのです。
2. どちらも突然現れたわけではありません。このようなパンデミックは、世界中の専門家によって予測されていたことです。公衆衛生の専門家は、この事態を必然と捉えています。一方の気候科学者は、”もし”ではなく”いつ”という局面を迎えていると警鐘を鳴らしています。
3. 脅威の存在を否定することは、行動しないことへとつながります。私たちは、自然の法則に従わなくてはいけません。緊急事態という現実から目をそらすことは(奇妙にも”中国のデマ”だと言う人もいます)、準備不足をまねくだけです。一連の危機的状況において、私たちは迅速かつ大胆な行動こそが重要であると学びました。
4. 危機を脱するには、グローバル規模で団結する必要があります。新型コロナウイルスにも気候変動にも国境はありません。人類の運命は、私たち1人1人にかかっているのです。

すでにご存知かとは思いますが、過去に例を見ないほど社会活動や経済活動が停滞することで、地球は休息を手にしています。環境汚染の軽減は著しいもので、研究対象としては絶好の機会であるものの、気候変動の絶対的解決策とは言えません。近い将来、経済活動は今まで通りに戻るでしょうから。

そうは言っても、直面する危機に私たちがどう対処しているかは、私を含む環境活動家に未来への希望を与えてくれています。他人の幸せを気にかけ、人類の運命に基づいて行動する、そう人々に促すことは、気候危機に対して活動するうえでの障害となってきました。もし数ヶ月前に、「1〜2%の人口を助けるために、世界は自発的にシャットダウンすると思いますか？」と聞かれたら、答えは「ノー」だったと思います。

国際社会の一員として、また一個人として、今後はより気候科学を重視する流れになるでしょうし、そうなることを期待しています。自然の力に対して、ただ単に物事を否定するだけでは何も解決しません。私たちは、それを学んだはずです。さらに、個人個人の行動が世界規模で影響を与えられることも学びました。

かつては単に環境汚染を心配していただけの私ですが、実際に環境活動家へと変わったターニングポイントを明確に記憶しています。それは、7年前にコロラド州デンバーで開催されたトレードショーでのことでした。プロスノーボーダーでありProtect Our Wintersの発起人でもあるジェレミー・ジョーンズが、POWに参加する意思がBurtonにあるのかを尋ねてきたのです。私たちBurtonは本格的なサスティナビリティに取組み始めたばかりの頃で、声を上げるには時期尚早だと感じていました。なので、「まずは自分たちの環境問題意識を高めることが先決」だと伝えました。すると、彼は言いました。私がどんなに正しいことをしても、環境に良いことだけを続けても、それでは時計の針は動かないと言ったのです。何よりも必要なのは、私たちが一丸となって声を上げることだと。そうすることで、大きな変化が生まれるのだと。その日のうちに、BurtonはPOWへの加入を決めました。決して後ろを振り返ることなく、大きく声を上げるサポーターの1社となったのです。

みなさんにとって、今回のパンデミックがほろ苦いターニングポイントとなることを望んでいます。当たり前の日常に戻る過程は、きっと困難を伴うものでしょう。長いトンネルを抜ければ、素晴らしいアウトドアと楽しいスノーボードが待っているはずです。そして気候変動に対する活動もまた、その需要は高まるばかりでしょう。

たくさんの愛と感謝の気持ちを込めて。