常識にとらわれないAnalog = AG: 20年の軌跡に迫る
革新的なデザインと共に、Analog = AGは新たな時代を迎えます。そこで今、Burtonのサブコレクションとして生まれたAnalogの軌跡を振り返りましょう。この20年間、Analogはオリジナルスタイルのスノーボードウェアで独自の道を歩んできました。常識にとらわれることなく、同じことの繰り返しを拒んできたのです。
実際には、どのような道を歩んできたのでしょうか?
初期: あふれ出るクリエイティビティ(2001〜2003年)
Analogは、バーモント州バーリントンにて、グレッグ・ダーキシェン(元Burtonチーフクリエイティブオフィサー)と故ジェフ・アンダーソン(チームライダー)によって立ち上げられました。Analogの始まりは、ファッションの要素を取入れつつ、トレバー・アンドリュー(a.k.a.グッチゴースト)やギギ・ラフ、ジェフ・アンダーソンといったライダーのクリエイティブなライディングにふさわしい、何か冒険心をくすぐるスノーボードウェアを作りたいという想いからでした。彼らのようにオリジナルスタイルにこだわりを持ったライダーを見ると、かつて「次はどんなトリックを魅せてくれるんだろう?」とワクワクしていた人も多いでしょう。
Analogは、ACRONYMを創設したエロルソン・ヒューやミカエラ・ザッヘンバッハーといった革新的なデザイナーとのコラボレーションを通じて、アウターウェアの限界に挑戦しました。2人はスタイルとテクノロジーを見事に融合させ、Analog初期のアイコニックなアイテム、MD Clone Jacketを生み出しました。SONYのミニディスクとデジタル音楽プレーヤーを生地に縫い付けたジャケットで、2002年には『TIME』誌の最もクールな発明の1つに選ばれたのです。スノーボードウェアとしては、本当に素晴らしい完成度でした。
MD Clone Jacketをはじめ、Analog初期のプロダクトは誰も見たことのないようなものばかりで、驚きのあまり開いた口が塞がらなかった人は多いでしょう。もちろん、それが何より重要なポイントだったことは言うまでもありません。
しかしながら、さほどマーケティングを強化していたわけでもなく、さらに生産数も限られていたため、Burtonが拡大を続ける一方でAnalogはどのようにフィットしていくのか……、この時点では明確なビジョンはありませんでした。
ブランドの始まり: 革命期(2004〜2009年)
2000年代半ば、Burtonのアパレルブランド、Kordaを立ち上げるという計画がありました。しかし、その時点でAnalogには勢いがあり、結果としてKordaに別れを告げ、Analogを(正式に)ブランドとして展開することになったのです。
この頃のAnalogには、ミリタリーや革命といった要素が色濃く出ていました。アメリカ陸軍を彷彿とさせるカラーや埋め込み式ライト、タクティカルスタイル、隠しポケットなどを採用したBlack-Ops Jacket、Full Metal Jacket、Blunt Jacektといったアイテムは、スノーボードウェアの世界でまったく新しいトレンドを生み出しました。Blunt Jacketには、キューバの軍服にヒントを得た取外し可能な「カストロキャップ」やグアヤベラ風の刺繡プリーツもデザインに取入れられていました。
Analogは、ヘイキ・ソーサやミッケル・バング、JPソルバーグ、ダニー・デービスといった、アグレッシブなライディングスタイルとスタイリッシュなファッションセンスを持つライダーをサポートしていました。その勢いはスノーボードシーンのみにとどまらず、レオ・ロメロやブライアン・サムナー、マーキス・プレストン、ディラン・リーダー、キーガン・サウダーなどを擁するワールドクラスのスケートチームを持つまでに拡大しました。オフスノーで大きな影響力を持つ彼らの協力もあり、Analogの知名度は一気に上がっていったのです。
その後さらなる成長を遂げたAnalogは、メンズとウィメンズのソフトグッズだけでなく、春夏のアパレルを展開するようになりました。様々なマーケティング&プロモーション活動を通じてより多くのファンを獲得し、最終的にはスノー、スケート、サーフのAnalogチームができるまでになったのです。サーフチームでは、ネイサン・フレッチャーやベンジー・ウェザリー、カマレイ・アレクサンダーがライダーとして世界中の波で活躍しました。
進化: 誰も見たことのない世界をデザインする(2010〜2019年)
2010年代、いくつかの大きな変化が訪れました。
スケートボードとサーフィンのシーンにまで影響力を拡大したAnalogですが、よりシンプルに、スノーボードブランドとしてのルーツに戻ることが決定しました。この時期のコレクションは、過去の革新的なデザインをベースに構築することを目指し、現在のスタイルとマッチしたプロダクトに過去のデザイン要素を落とし込んでいました。
スノーチームには、ダニー・デービスやミッケル・バング、オーステン・スウィーティン、ザック・ヘイルなどが名を連ね、世界中のイベントでAnalogらしい変幻自在なスタイルをアピールしてくれました。10年以上の月日をかけてAnalogの美学は磨き上げられ、ライダーからインスピレーションを得て、ブランドのDNAを維持しながらも限界にチャレンジし続けてきたのです。つまりは、機能性とスタイルをハイレベルに融合するということ。
この時期のハイライトと言えば、レジェンドフォトグラファー、トレバー・グラビスによるクラシックなスノーボードフォトを集めたPermanent Light Archive(PLA)コレクションでしょう。スノーボードカルチャーの記録は、映像と写真から始まり、トレバーの作品をAnalogのデザインと組み合わせることで、スノーボードの過去、現在、そして未来を強力に結びつけることができたのです。
未来: 生まれ変わったAG(2021年〜∞)
そして、今日に至ります。
2022年2月9日、生まれ変わったAGからボードやウェアがドロップします。Analogが築き上げたものはそのままに、デザインと機能性における新時代の幕開けです。ブランド誕生のその日からAG = Analogの象徴であるチャレンジ精神が、より色濃く形になっていることに注目してください。これからもAGは可能性に賭け続け、限界をプッシュし、時代に同調するようなことはありません。
常識にとらわれることなく、AGは独自の世界観を表現し続けます。
20年前、みなさんを未知なる世界への旅に誘ったことが懐かしいです。今でもたくさんの人がAGとの旅を続けてくれているなんて、最高にクールなことですよね。