The Burton Blog

グラフィックの美学

正直に認めちゃいましょう。

新しいスノーボードを選ぶうえで、言うまでもなくスペックは重要です。でも、それと同じくらいグラフィックも外せない要素ですよね? このブログを読んでいる人のほとんどがそうだと思いますが、私たちスノーボーダーにとって、ボードグラフィックは自分を表現する手段の1つです。Burtonは、スノーボードをアート作品だと考えています(雪の上を滑れるアート!)。つまりスノーボードはキャンバスであり、そこにアート = グラフィックを落とし込んでいるのです。

世界中でリスペクトされているアーティストとのコラボレーションをはじめ、チームライダーやフォトグラファーとの共同作業など、Burtonは常にスノーボード内外のカルチャーからアイデアをもらっています。今シーズンは、ストリートアーティストやサーファー、そしてブランドの友人たちがボードグラフィックに携わってくれました 。

冬を目前に控え、最新モデルにまつわるエピソードをご覧ください。


Men’s Custom X byブレンダン・モンロー

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Phoro: Alex Reed (Heath Ceramics)
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Photo: Jeff Hamada

ロサンゼルスをベースに、大規模なミューラルの数々を手掛けるブレンダン・モンローは、Burtonにとって欠かすことのできないインスピレーションの源です。星屑のような細かいイラストからアメーバをモチーフにした巨大ウォールアートまで、細部へのこだわりとダイナミックなデザインの融合が彼の魅力です。Custom Xのコンセプトは、「テクニカルなラインや広大なオープンバーン、あらゆる地形に対する挑戦」です。彼のグラフィックは、正確性と力強さを併せ持つボードにピッタリでした。

私は、物体の表面が持つ凹凸や手触りを様々な方法で定義付けしようと試みています。そのなかでも、特に水の流れる動きに魅了されています。どこに線を描き、どこを曲げるのかを考える一連のプロセスは、まるでパズルのようなものであり、それが完成したとき最高のイメージが具現化されるのです。運が良ければ、そのなかに動きを見出せることもあります
– ブレンダン・モンロー
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Blossom byボルティモア・ロス

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先シーズン登場したユニセックスボード、Blossomのアートディレクターを務めるのは、アーティストでありチームライダーでもあるニールズ・シャックです。今シーズン、彼に強力な仲間が加わりました。スノーボーダーでありスケーターでもあり、そして人気急上昇中のアーティストでもあるボルティモア・ロスです。同世代の2人がタッグを組んだことで、ワイルドかつユニークな現代スノーボーダーを象徴するグラフィックが誕生しました。本質的なカッコ良さはブレずとも、各々が千差万別のスタイルを持っていることを表現しています。

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Women’s Talent Scout byナニ・チャコン

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初めてナニ・チャコンの作品に出会ったとき、私たちは、彼女とTalent Scoutの間に強いつながりを感じました。アメリカの先住民とメキシコ系アメリカ人の血を引く彼女のアートは、自身のルーツやアイデンティティをテーマにしながらも、一見すると相反するようなイメージや描写を織り混ぜ、いつも見る者の想像を超えてくるのです。Talent Scoutのコンセプトは、「エレガントでパワフル、そしてバッドアス」。まさに、彼女の作品はこのボードにベストマッチでした。彼女にとっては思いがけないコラボレーションかもしれませんが、実現できたことは最高の喜びです。


Women’s Feelgood byジェシー・ドーソン

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Feelgoodのグラフィックは、3シーズン連続でBurtonフォトグラファーのジェシー・ドーソンとチームライダーのケリー・クラークがコラボレートしました。横乗りに対して強い情熱を持つ2人は(そして犬好き!)、自然と一緒に仕事をする機会が増え、今ではすっかり大親友です。ジェシーは、ケリーのホームでもあるマンモスマウンテンのバックカントリーからインスピレーションを得て、Feelgoodのコンセプトでもある「あらゆる山を滑り、全てを楽しみ尽くす」というポジティブなスピリットを見事に表現した写真をセレクトしました。このボードがあれば、今シーズンも最高の仲間と最高の時間を過ごせることでしょう。


Men’s Deep Thinker & Free Thinker byスコット・レンハート

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スノーボードはサーフカルチャーの影響を強く受けており、Burtonも決して例外ではありません。アーティストのスコット・レンハートとコラボすることがお決まりとなりつつあるダニー・デービスですが、今シーズンのシグネチャーボードは1970年代のサーフカルチャーを彷彿とさせ、エアブラシを使ったグラフィックが彼のレガシーとインスピレーションを表現しています。Deep Thinkerにデザインされている魔術師は、ベテランライダーとして数々のトリックを自在に操るダニー自身。一方のFree Thinkerは、ダニーのペット、レイラとジェリーへのオマージュとして描かれています。


Good Company by C.M.・クーリッジ

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ツインのキャンバーボードほど時代を超えて愛されているものは、もはやこの世に存在しないのではないでしょうか? しいて言うならば、1903年にC.M.クーリッジが発表した「Poker Sympathy」でしょうか。クーリッジの「Dogs Playing Poker」の絵は、洞穴に住んでいる人でもない限り、これまでに何度も目にしたことがあるはずです。究極に「kitsch = 低俗(この言葉をググると、クーリッジの絵が上位にヒットします)」でありながらもGood Companyが目指すもの、それは仲間と最高の時間を共有することです。結局のところ、最高の仲間がいるからこそ最高の1日になるのです。Good Companyに乗って、あのパークを流しましょう!


ボード選びのアドバイスをするとき、決して「グラフィックだけで決めるべきだ!」とは言いません。しかしながら、グラフィックを妥協すべきでないことも事実です。自分を表現するため手段として、ボードグラフィックは欠かせないものですから。

だからこそ、Burtonはグラフィックにも膨大な時間と労力、そして情熱を注ぎ込んでいるのです。憧れのアーティストとコラボレートしたり、チームライダーと一緒に絵を描いたり、100年前の作品に新しい命を吹き込んだり、私たちはグラフィックを考える時間も価値あるものにしたいのです。何より、Burtonのスノーボードに乗るみなさんには、ぜひグラフィックも大切にしてもらいたいと思っています。


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